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【ゼロから始めるDTP講座・第10回】デザインをもっとおしゃれに。今すぐ使いたい「あしらい」特集
DTP講座もついに最終回。これまで多くの内容を取り上げてきましたが、いよいよその総集編です。
例えば、あなたのお母さま、もしくはお友達が、「チラシを作って欲しい!」とあなたにお願いしてきたとします。今回は、そんなシチュエーションを踏まえ、対話形式で「よりオシャレなチラシのデザイン」を学んでいきましょう!
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<登場人物>
弟子:
DTPを勉強してまだ間もない女の子。母親に、「チラシを作って!」とお願いされ、張り切ってチラシ作りに挑みます。
師匠:
プロのデザイナー。弟子の突拍子もないデザインセンスにたじたじ。
ある日のこと・・・
師匠!
今度、母が自宅でパン作りのワークショップを開くみたいなので、この前の講座をもとにチラシを作ってみました!
おお、弟子にしては殊勝な心がけだな。見せてみなさい。
これです! 渾身の力作ですよ!
・・・・・・
ん? 師匠?
ダサい! なんだこのパソコン教室に通いだしたおばあちゃんが作ったみたいなチラシは!!
えっ…… 結構がんばったと思うんですけど……どの辺がいけないんでしょうか……
詳しく言ってたらキリがない。というか全部と言いたい!
まずここ!
フォント統一しろよ!なんで色変えてるんだよ!!
そしてここ!
文字と画像の距離が詰まりすぎ!重ならないように微妙に配慮されてるけど!!
(読まれている……)
でもってこれ!
「パン作りって楽しいね♪」って……。吹き出し、壁から出ちゃってるし!!
弟子よ……
はい………
こうなったら、俺がこのチラシを全部作り直してやる。完成品を見て出直してこい!!
――次の日。
できたぞ。
おおおー!オシャレ!かわいい!!
いいか。これからチラシをオシャレにするポイントを説明していくから、しっかり聞いておくように!
ハイ!
弟子が作ったチラシ。根本的に、どこがいけないの?
その前に、このチラシのどこがいけないのか、簡単に教えてください!
一つずつ言っていったらキリがないけれど、大きく分けると二つあるんだ。
・文字の大きさや並びに、ルールがないから情報が伝わりづらい
・「パン作り」と関係のない要素が多すぎる
という点かな。これら二つを意識するだけで、だいぶ情報が整理されて分かりやすくなってくるよ。
チラシをもっとオシャレに!誰でもできる、あしらいのコツ
1.文章の優先順位を決めて、目立つように配置しよう
まずは、文章の優先順位を決めよう! 弟子よ、この中で一番重要な文字はどれだと思う?
うーん。やっぱり、「パン作りワークショップ」でしょうか。
そうだね。だから、まずはこの文字が目立つようにしよう。元のチラシは、背景に対して文字の色が似すぎているから、あまり目立たない。背景に対して、しっかりと強い色に変更してあげることが大事だよ。「明度差を付ける」、とも言うね。
なるほど! 近い色を使いすぎると、あまり目立たないんですね。
タイトルと細かい情報を、囲いを使って分けると、より情報を区別しやすくなる。また、人は文章を上から下へと読んでいくから、住所と連絡先の情報が横並びにならないようにしよう。罫線や背景で、分かりやすく分けてあげると親切かな。
このように、ワンポイントで背景を付けるというのも、ひとつのテクニックだよ。
2.文字は、目立たせたいものだけ太字にする!
弟子は、すべての文字を太字にしているね……
どの文字も重要だと思いまして……
この場合は、一番重要である「パン作りワークショップ」「親子参加大歓迎」などを太字にして、それ以外の細かい文章は、細く、小さくしよう。このほうが、メリハリがついて分かりやすいよ。
3.重要な情報は、アンダーラインを引くことでオシャレに
重要な情報をより目立たせるために、日時と住所に黄色のアンダーラインを引いてみたよ。この手法は女性誌などでもよく見ることができる。オシャレに目立たせたい時は、この方法を使ってみよう! ただし、使いすぎには要注意。
4.テーマによって、フォントも変えてみよう!
ちなみに、このパン作りワークショップって、誰に向けたチラシなのかな?
やっぱり子どもがいる主婦の方でしょうか。
そうだよね。「ターゲット」によって、文字や色を変えるというのも、ひとつの手だよ。主婦、つまり女性向けだから、可愛い、柔らかい感じのチラシにしたい。そんな時には、「丸ゴシック体」の文字がオススメ! 明朝体は、そもそも新聞のように読ませるためのフォントだから、チラシには向かないんだ。
そうだったんですね……! 普通のゴシック体でも大丈夫ですか?
もちろん! 普通のゴシック体にすると、よりポップなイメージになるね。
5.むやみやたらに配色していない?色の方向性を決めて、統一感を出す
弟子は、すごく色々な色を使っているね。
はい、なんとなく、楽しげなイメージになると思って……
色は使いすぎると、どうしてもバラバラな印象が強くなってしまう。だから、チラシを作る時は一定のルールを決めよう。
例えば今回だと、ピンク、オレンジ、茶色、アクセントとして黄色など、暖色を中心に作っている。周りの飾りとか、細かいところはたまにルールから外すとオシャレになるよ。
確かに、上の飾りとか、下の鍋つかみなんかは、寒色になっていますね!
6.視覚的な情報は、大きいものに影響を受けやすい
人は、面積の大きいものに印象を受けやすい。だから、背景のデザインもとても重要な要素なんだ。
今回のテーマは「パン作り」だから、ランチョンマットの柄にしてみたよ。そういうふうに、デザインにもテーマを持たせてあげることが大事なんだ。
7.そのイラスト、必要ですか?テーマに沿ったモチーフを置こう
背景の話にも関連してくるけれど、テーマは「パン作り」。だから、関係のないイラストはあまり持ってこないようにしよう。
星とか太陽とか、ニコちゃんマークとか、ついつい使いたくなってしまいます。これはNGなんですね。
パン作りだからパンのイラストとか、秋だから栗とか、関連づいたイラストを使うと、より視覚的にイメージしやすくなるね。他にも、囲みをパン作りのボードにしたり、パンの伸ばし棒や鍋つかみを置いてみたり。
8.チラシの「雰囲気」は、実際の行動と照らし合わせることで完成される
パン作りのワークショップの、楽しげな雰囲気を伝えるにはどうしたらいいでしょうか?
やっぱりここでも、視覚的なモチーフがあるといいよね。今回は、上の方を三角フラッグや、丸い玉で飾ってみたよ。ホームパーティと同じように、チラシもデザインするんだ。他にも、折り紙で作った輪っかを繋げたものとかを入れても良いね。
ただ、こういう飾りは、本当に伝えたいことが書いてある真ん中に置くのはダメ。あくまでも端っこに、さりげなく置こう。
9.余白は、ギリギリにならずに余裕を持って
周りに余白を持たせることも大事だよ。ということで、余白を見比べてみようか。
せ、狭い……。
なんだか見づらい印象になってしまうよね。情報は真ん中にコンパクトに置くことが、大切なんだ。
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「ターゲット」と「テーマ」を明確にして、整理された美しいデザインのチラシを作ろう!
あまり考えずに作っていたということが、身にしみて分かりました…
そうだね。チラシでもポスターでも、どんなテーマのものを作っているか、誰に届けたいか、というのは常に考えておかないと、とんちんかんなものになってしまう。今回学んだことを活かしながら、次のチラシ作りに励むんだよ!
はい、分かりました!
これにて、DTP講座全10回はおしまいです。DTPの基礎について、学ぶことはできましたか?
皆さんの仕事や趣味での「デザイン」の場面に、ぜひとも役立ててもらえれば、幸いです。