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【あの人気ゲームをコレクションできる!】ゼビウス、ドルアーガの塔…名作ペーパークラフトの制作秘話を聞く
パックマンやゼビウス、ドルアーガの塔、塊魂……そんな名作ゲームが大好きだったあなたへ、朗報です。
ブラザーの『プリビオ・プリントテラス』では、期間限定の無料ダウンロードコンテンツとして『バンダイナムコエンターテインメント人気ゲームペーパークラフト』をご用意しております! そこでは先ほど挙げた名作ゲームに加え、全11種類の名作ゲームを紙で表現できるんです。
今回は、そんな『バンダイナムコエンターテインメント人気ゲームペーパークラフト』のペーパークラフトデザインを担当された亘理知之さんに、制作秘話を聞きました。紙と侮ることなかれ、そこは本当に深い『ペーパークラフトの世界』がありました。挑戦したくなること請け合いです。
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亘理知之(わたりともゆき)さんプロフィール:
エンジニアを経てクリエーターに転向。プロダクトイラストを中心に活動中で、自動車、バイク等の緻密なイラストを得意とされており、現在、隔月出版の「オートメカニック」の表紙画等でも活躍中。イラスト制作の他、プロダクトデザイン、ぺーパークラフト等の立体的な作品も手掛ける。
たった1枚のイラストからでも、ペーパークラフトはできる
――今回はよろしくお願いします。ちなみに、亘理さんはバンダイナムコエンターテインメントの作品をプレイされたことは?
亘理さん:もちろんありましたし、やり込んだ作品も多いです。今回のお話が来た時はもう……万歳三唱でしたね(笑)
――その喜びが、一つ一つの作品に投影されているようですね。さっそく出来上がりの作品を見たのですが、『ゼビウス』の自機ソルバルウはひとつのおもちゃとして成立するくらいの完成度でびっくりしました。
△『ゼビウス』の自機ソルバルウを組み立てたもの
亘理さん:そうですね、今回のペーパークラフトはかなり「おもちゃ」を意識していて、本体だけでも遊べるよう形や強度の工夫をしています。ゼビウスやニューラリーXは、そのまま飛行機のおもちゃ、車のおもちゃとして遊べるかと。
△『ゼビウス』ソルバルウを手に持って遊ぶ様子を表現する亘理さん
――細かい書き込みにもこだわりが詰まっていますね。今までのプリントテラスのペーパークラフトとは、どこか一味違った印象を受けました。意識された点はありましたか?
亘理さん:大前提として、すでにあるペーパークラフトとは違うものを作ろうと意識しました。既存のペーパークラフトは、動物とか、可愛い系統のものが多かったので、どちらかというとメカメカしく、機械っぽく作ってみようと思ったんです。元のゲームが単純なドット絵のものも多いので、なるべくリアルに作ることを心がけました。
――一つ一つのパーツが、本当に細かく作られているなぁと感じます。そもそも、ペーパークラフトってどうやって作るのでしょうか? 全く想像がつきません……
亘理さん:たとえばワギャン(『ワギャンランド』より)は、最初に形を決めるために様々な資料を確認しながら、イラスト化しました。その時も、可愛らしくなりすぎないようにメカメカしく、カクカクと。曲面を多用すると組み立てにくくなりますから、あまり多用はしませんでした。そのかわり、絵に命をかけましたね。ちなみにこれは、機密情報がぎっしり詰まったメモ帳なのですが……(笑)。
△『ワギャンランド』より、亘理さんが描いたワギャンのラフ案。機械っぽくカクカクとイラスト化しながら、だんだんと展開させてイメージを膨らませる
――こんなに細かく描かれているんですね! こうやってワギャンらしさと難易度のバランスをとっていたわけですね。
亘理さん:そうですね。その後、出来上がった展開図をパソコンに取り込んで、色付けをして、サイズの微調整などをして……。これで出来上がりです。サイズを調整するのは特に入念にやらなければならない作業なのですが、特に『源平討魔伝』の景清のペーパークラフトは大変でした。
――どのような点が大変だったのでしょうか?
亘理さん:ペーパークラフトで人型を立たせるのってすごく難しいんです。紙だからバランスが少しでも崩れると、こてんっと倒れちゃう。
△『源平討魔伝』より、地獄から蘇った「景清」を組み立てたもの
亘理さん:特に景清は、髪の毛が多くて、妙に顔のサイズが大きくなってしまったり、肩に装甲のようなものが付いているため、バランスが取りにくかったりと苦戦しました。
景清を二本の足で立たせるために、岩を土台としてしっかり固定し、パーツそれぞれのサイズを微調整しながらなんとか1ヶ月かけて完成させました。
展開図を作るだけだとサイズ感の良し悪しがわからないので、景清だけでも20体近く、作業部屋に転がっています。さらに顔だけで20人分落ちていたり……(笑)。
――まるでホラーですね……。制作にかける情熱とこだわりが伝わります。難易度マックスの景清は、制作の難易度もマックスレベルだったんですね。
思い入れのある作品は全部。よく遊んでいたのは「ゼビウス」と「ドルアーガの塔」
△『ドルアーガの塔』の主人公ギルと巫女カイ
――いろいろとお話を聞きましたが、今回製作した中で1番思い入れのある作品を挙げるとしたら、どれでしょう。
亘理さん:うーん、一個一個、チャレンジしたことがあって、決めるのは難しいのですが……。やっぱり昔よく遊んでて、テンションが上がったのは、ゼビウスとドルアーガの塔です。本当に、よく遊んでいたからっていう理由なんですけど、やっぱり思い入れはありますよね。
他にも、パックマンの世界観や丸みの表現ができたかなというのは、僕の中ではユーザーの皆さんに聞いてみたいところです。球体のペーパークラフトは組み立てるのも難しいので、後ろにわざと穴を開けておいて、指を入れて接着しやすいように配慮したりもしました。
△『パックマン』。曲面の表現方法にこだわりあり
――映画化もされて、どの世代の人でも知るパックマンだからこそ、多くの人に楽しんでほしいですね。
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やってみたら意外とハマる、ペーパークラフトの世界
平面の紙からだんだんと立体になっていく姿は、組み立てていてとても感動的。完成した時、びっくりするほど達成感を味わえます。
また、今回ご紹介したペーパークラフトは、設計時に完成した時に飾りたくなるよう箱の色を工夫したり、全部作り終えた後にとっておきのサプライズを感じられるような工夫もあります。
出来上がった作品は、お近くの家具店や雑貨店で売っているようなショーケースに入れると持ちが良くなります。思い入れのある作品を組み立てた時は、ぜひ保管方法にも気を配って見てはいかがでしょうか。
新しい趣味としてのペーパークラフト、きっと挑戦したら時間を忘れるほど夢中になれますよ。
後半は、「立体物は面から構成されているから、できない形はない」と仰る亘理さんの、幼い頃から独立までのお話をお伝えします!
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.